タブレット端末を覗き込んでいてディスプレイの明かりが暗くなると、画面に自分の顔が映り込むことがあります。一瞬「えっ?」と思うほど老人じみた顔に、改めて自分の年齢を思い知る気がします。

確かにうつ向いた顔面は浅く射す明かりが皮膚の凹凸を強調し、もう若くない顔を余計に老けさせて見せるのですが、やはり少し残念な思いがします。

若い顔と年老いた顔の比較

久しぶりに会った人に内心「うわっ、老けたなぁー」と思ったり、向こうもこちらを見て「うわっ…」と思っているかもしれませんが、急に老け顔になる人というのは確かにあります。

テレビの芸能人にも「老けたなぁ」と思ったりすることが増えたのは、自分自身にも同じ時間が流れたことを意味しているわけですが、それにしても私達は人のどこを見て「老けた」という印象を抱くのでしょう。急に老け顔になる人には何か共通な特徴があるのでしょうか。

まず目が行くのは、やはり顔周りです。

・白髪

・薄毛(頭髪・まゆ毛)

・皮膚のシミ、シワ、たるみ、血色不良

・歯の黄ばみや抜け落ち

「急に」という点で言えば白髪や薄毛は短期間で進んでしまうこともあるので、印象がガラリと変化する要因としてはインパクトがあります。さらに以上のような特徴が複数見られる人はやはり老けて見えますし、表情の乏しさや猫背姿勢、トボトボした歩き方なども他者に衰えを感じさせる特徴です。

一方で「いつまでも変わらないなぁ」とか「年をとってもキレイだなぁ」と見える人もあって、私の場合では吉永小百合と自分の母親が同齢だと知って驚いたりするわけですが、いったい「老けて見える人」と「若く見える人」の違いはどこから生じてくるのでしょう?

 

急に老け顔になる人の特徴

急に老け顔になる人は・・・

・揚げ物をよく食べる

・オーブン&グリル料理をよく食べる

・炭水化物をガッツリ食べる

・焼き菓子をよく食べる

・ポテトチップスをよく食べる

・甘いものをよく食べる

・あまり運動しない

・ハード過ぎる運動をする

・タバコを吸う

・日焼けしている

・睡眠が不足している

・ストレスが多い etc…

唐突になんのことかというと、「老化を加速させる物質を体内に増やしてしまう要因」を並べてみました。他にも色々あると思いますが、老化が進む生活習慣ですので、急に老け顔になる人には色濃く上記のような特徴が見られます。

では、「老化を加速させる物質」って何?ということになるわけですが、以下で見ていきましょう。

 

老化の原因

老化は身体構造の劣化であると言えます。私たちの体を構成している各種の細胞やコラーゲンなどの構成要素は日々更新されたり、栄養の補充を受けてなるべく変化しない状態を保とうとします。

けれどもその過程で出来そこないの細胞が多く生じたり、更新頻度の緩やかなコラーゲンなどの組織が傷んでしまったりすると、本来の形状や機能を維持することが出来なくなってしまいます。

若い顔と老いた顔の比較図

体の組織を劣化させる原因としては

1.糖化

2.酸化

3.紫外線や放射線

4.炎症

5.ホルモンバランス

などが知られていますが、ここでは私達が日常生活で予防できる余地の大きい「糖化」「酸化」「紫外線(UV)」について見ていきたいと思います。

 

細胞の糖化とAGEs

私たちの体を構成する細胞の主な成分は「タンパク質」です。もしもそのタンパク質が「糖」と結びついて変質し、細胞の機能が損なわれるとしたらどういう事になるでしょう。

タンパク質が糖と結びつくことを「糖化」と言い、その結果として「AGEs」が生じます。AGEsは日本語では糖化最終生成物とか最終糖化産物などと訳されています。

A:Advanced(高度な)

G:Glycation(糖化)

E:End products(最終産生物)

末尾に複数形の「s」が付いたり付かなかったりしますが、AGEは単一の物質ではなく種類が多くあるので、ここではAGEsと表記します。

AGEsには飲食物として体外から取り入れられるものと、体内で生成されるものとがあります。タンパク質と糖が結合して変質する糖化反応は「メイラード反応」と呼ばれ、結合物は徐々に「褐色」になる特徴があります。

メイラード反応は「熱」によって活発になる特徴がありますが、例えば「こんがり揚がった」とか「きつね色に焼けた」などと表現されるような「香ばしい系」の料理には、AGEsが多く含まれています。生の素材には別々に存在していたタンパク質と糖が、高温調理によって結合することで多量のAGEsが生じるわけです。

また熱が加わらなくても糖とタンパク質との反応は起こります。味噌や醤油、奈良漬けの粕床などの褐色は長期熟成でゆっくりと進んだメイラード反応の結果です。

メイラード反応はAGEsを問題視した場合には有難くない現象ですが、食の多様性の観点に立てば、好ましい風味や味覚が醸成されたり、ビタミンや抗酸化ポリフェノールなどの健康成分が増強されたりといった作用もあるので、良し悪しな部分があります。

人体における糖化のイメージ図

AGEsの影響

糖化による細胞のダメージはやや複雑な生理反応を経て進行します。AGEsは、人体を異物から守る免疫系や、体の成長を調節する内分泌系に作用してその機能を撹乱し、種々の細胞反応を引き起こします。

その結果として例えば血管の硬化骨の粗密化などの老化現象が生じ、そうした変化はさらに多くの疾病の伏線ともなって老化を加速させていきます。

またAGEsはコラーゲン繊維や軟骨など、更新の疎い組織に蓄積しやすく、皮膚のシワやたるみ関節軟骨の劣化、眼の水晶体の濁りなどの老化現象の原因にもなります。

糖化した骨のイメージ図

以上のようにAGEsは老化に影響の大きい物質ですが、食事に含まれるものを回避することはなかなか困難です。程よく焦げ色のついた料理の芳しい香りや味覚は、食を楽しむ上で欠くことの出来ない要素です。

もっとも、摂食によって体内に取り入れられるAGEsのうち70%はそのまま排泄され、吸収された30%のうちで体内に蓄積されるのは10%程度だそうです。ただしAGEsの怖さはこの「蓄積」という表現に現れていると思うのですが、私達は日々の食生活の中で、この有害な老化物質を体内に供給し続けています。

また体内で生じるAGEsもあり、これは血液中に余剰な糖が長く存在することでその生成が助長されます。したがって糖質の過剰な摂取を控えたり、適度な運動で血液中の糖が増えすぎないようにコントロールする必要があります。

やがて現れる大きな違いは毎日の小さな積み重ねによって生じます。人の老け具合というのも、そのようなものかもしれません。日々の積み重ねがその人の顔を形づくっていきます。

ということで、老け過ぎをもたらす「AGEs」の影響を最小限に抑える生活習慣についてまとめます。

1.糖質とタンパク質を含む高温調理食品の摂取は控えめにする。

2.過剰な糖質(炭水化物など)を摂取して高血糖を招かないようにする。

3.野菜、キノコ、海藻類などを先に食べると血糖値の乱高下を抑制できる。

4.適度な運動で血液中の糖を消費する。

以上のような点に気をつけて、体の糖化を予防していきましょう。

 

体を酸化させる活性酸素

活性酸素による人体への影響は、よく「酸化」という現象を捉えて「体をサビつかせる」というふうに喩えられますが、人体の構成要素には酸化によって機能を失ったり、有害物に変化したりする物質が多く含まれています。

活性酸素とは

私たちは大気中から酸素を取り込んで生命活動のエネルギーを生み出すことに利用していますが、そうした過程では他を酸化する作用の強い不安定な「活性酸素」も生み出されています。

活性酸素はその酸化力の強さから、免疫機能において有害なウイルスへの攻撃に利用されたりもしますが、しかし一方では正常な細胞を傷つけてしまったり、有用な栄養成分を変質させてしまったりする有害な側面も持ち合わせています。

さらには癌の発生に関わったり、心臓血管を脆弱にしたりと、疾病の発生や老化にも深く関与するので、体内に増えすぎた場合には見過ごせないリスクとなります。

活性酸素が血管内壁を傷つけるイメージ図

活性酸素の発生原因

エネルギー産生過程でたくさんの酸素を消費する際には、活性酸素の発生が多くなります。したがって過度な運動を行った際には、体内の活性酸素は増加します。また精神的なストレスや紫外線なども、活性酸素を体内に増やしてしまう原因になると言われています。

活性酸素の減らし方

活性酸素と結びついてその害を少なからしめる物質を「抗酸化物質」と言い、近頃は「スカベンジャー」などとも呼ばれていますが、人の体内で産生される酵素の中には抗酸化物質として作用するものがあります。しかし、それだけで十分なわけではありません。

私達は多種多様な抗酸化物質を食品から得ています。それはビタミンとかポリフェノールなどと言われる栄養成分ですが、その他にも体内でつくられる酵素の原料となる多様なタンパク質(アミノ酸)も不可欠な栄養素です。それらが片寄りなく補われることで、私達の体は有害な活性酸素から守られています。

新鮮な野菜を手に取る女性のイラスト

 

老け顔は「紫外線」によって形成される

自覚的にも客観的にも加齢による劣化が意識されやすい「顔」ですが、実際には先に述べた「糖化」や「酸化」の影響も受けながら老化が進行します。けれども例えば「お尻」や「内もも」などの皮膚と比べて、顔の皮膚にシミ、しわ、たるみ等の生じやすい原因は、概ね「紫外線」にあります。

紫外線(UV)は皮膚の厚みや弾力の基となっているコラーゲンやエラスチンを破壊し、光線から皮膚を守るためのメラニン色素を増やし、そして細胞の設計図であるDNAをも傷つけます。

それによって私達の皮膚は本来の弾力のある厚みを失ってゴワゴワしたものとなり、色も褐色化して、かつては白い絹地のようであった肌も、やがてシワシワの油紙のようになってしまいます。更にDNAの損傷によっては、異常な皮膚の角化や、腫瘍等が出現したりもします。また、紫外線は目の水晶体などを構成するコラーゲンにもダメージを与え、白内障の誘因にもなっています。

以上のように、紫外線は外見の老化を加速させる作用の強い因子ですが、その影響は日傘や帽子、サングラス等による被覆で予防できるものです。また近頃は高性能な日焼け止めローションや、服用するタイプの日焼け止めもあるので、肌を日光に晒す際には利用をお勧めします。

紫外線が皮膚に与える影響のイメージ図

 

老けない人の食習慣

老化の予防というと「顔」「首」「手」など、人目につきやすい部分の劣化がまず心配されますが、そうすると多くの人が美容液など、肌に塗布するタイプの対策を検討しがちです。確かにそれも大切ではあるのですが、老化の原因について掘り下げていくと、やはり疎かにできないのが食生活です。

私達の体は隅から隅まで食事から得られる栄養で維持されていて、必要な栄養が不足すると細胞の一個一個が活力を失い、萎れてしまいます。

それに対して、皮膚に塗布された養分がどれだけ細胞に届くのかというと、いかに高価な美容液でも0.2ミリほどの厚さの角質層を潤すだけで、皮膚の張りや弾力に関わる層の細胞までは届かないというのが実際のところです。

老けないためには、体の内側から細胞の一個一個を元気に維持していくことがまず必要です。それには良質な栄養を過不足なく摂取することが求められますし、適度な運動で健全な代謝が促通されることも大事な要素です。

米や小麦などの炭水化物は食べた後に糖として利用されますが、あまりに「ガッツリ」食べてしまうと血糖値の上昇が長く続き、体内でAGEsを発生させる原因になります。

血糖がインスリンの作用で血管から搬出されるイメージ図

血糖がインスリンの作用で血管から搬出されるイメージ図

また、外から取り入れる食べ物にもAGEsのような有害な物質は含まれていますので、そうした食品の摂取をなるべく避け得る知識も必要です。

例えば我が家の義母は肉や魚の生焼けを極度に恐れる傾向があり、鳥の唐揚げなどもコーヒー色になるまで徹底して揚げます。焦げ臭くなるし水分も抜けて固くなるしとても残念なのですが、そうしないと気持ちが悪いというのでどうにもなりません。わざわざAGEsを増やして食べている悪い例です。

けれども知識があれば、料理の方法も変わります。こんがり焼いて香ばしさを楽しむ料理もバリエーションの中には必要ですが、それに健康上のリスクがあることを知っていれば、焼き加減も、食べる量も、程々を心掛けることができます。

タンパク質と糖が結びついてAGEsが生じるメイラード反応は、色が褐色に変化する特徴があるので、それは一つの目安になります。つまり、焼いたり揚げたりの高温調理は食材を褐色に変化させますが、煮たり蒸したりという調理法では食材の褐色化はほぼ起こりませんので、より安全な食べ方であると言えます。

「AGEs」に限らず、「活性酸素」を無害化してくれるビタミンやポリフェノールも、調理法によって増えたり損なわれたり、吸収されやすくなったりされにくくなったりします。また「紫外線」による肌のダメージが、ビタミンの作用で緩和されることも知られています。

新鮮な果物のイラスト

以上のように何をどのように食べるかは、若さを保ち続けるために優先して取り組むべき課題です。「急に老け顔になった」などと思う日がこないように、ぜひ体の内側からの働きかけで細胞を守り、育んでいきましょう。

 

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fuku

新潟県在住のマッサージセラピスト。

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